副鼻腔炎(ちくのう症)の原因と合併症

副鼻腔炎(ちくのう症)の基礎知識

 

 

副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症がおきる病気で、これが慢性になった場合の通称/俗称が蓄膿症となります。副鼻腔炎は最もよくみられる病気でもあり、毎年約1000万~1500万人が発症するといわれています。

 

鼻腔の周辺には、副鼻腔という粘膜に覆われた空洞が存在しているのですが、副鼻腔は鼻の周囲の骨にある空洞のことで、その大きさや形はいろいろとなっています。2つの前頭洞は左右のまゆのすぐ上、2つの上顎洞はほお骨の中にあって、左右2グループの篩骨洞は鼻腔の両側にあります。2つの蝶形骨洞は篩骨洞の後ろです。

 

副鼻腔炎は、こうした上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞という4種類の副鼻腔のどこにでも起こる病気で、多くは鼻炎を併発しているので、鼻副鼻腔炎と呼ぶこともあります。

 

副鼻腔炎には分類では4種類あり、急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症となっています。急性の風邪などによる鼻炎から発症するのが急性副鼻腔炎で、慢性副鼻腔炎は、急性やアレルギー性の副鼻腔炎が長引いて、膿汁の副鼻腔内の貯留、炎症性の粘膜肥厚、骨格など、副鼻腔に膿が溜まりやすいことが主な原因で慢性的に炎症が起きることです。

 

喘息に合併する副鼻腔炎のうち、多発する鼻ポリープを特徴とするのが好酸球性副鼻腔炎で、これは難治性で、喘息を悪化させるのでやっかいです。副鼻腔真菌症は副鼻腔に真菌塊があって炎症を起こすものです。