副鼻腔炎(ちくのう症)の原因と合併症

副鼻腔炎の症状

 

 

次は副鼻腔炎の症状についてお話しします。急性の副鼻腔炎では、炎症を起こした副鼻腔に疼痛、圧痛、腫れがみられるようになります。

 

上顎洞部分での炎症は、眼の下の部分の痛み、歯痛、頭痛を引き起こし、前頭洞部分での炎症は額に痛みが起こります。又、篩骨洞の炎症では眼の奥や両眼の間が痛み、頭は割れるような激しい痛みが額のあたりに起こります。

 

位置をはっきりと特定できないのが蝶形骨洞の炎症による痛みですが、多くは頭の前部や後部の痛みとなるようです。急性副鼻腔炎は、鼻から黄色や緑色の膿が出ることもあり、更に発熱や悪寒が起こることもあるのですが、こうした症状がみとめられる場合は、炎症が副鼻腔以外の部分に拡大している可能性があります。

 

例えば視覚の異常や眼の周囲の腫れはかなり危険な状態であり、ひどい場合には数分から数時間以内に失明することもあります。眼にこうした症状が現れた時は、何をおいても即座に医師の診察を受けるようにしてください。慢性の副鼻腔炎での症状は一般的に急性副鼻腔炎と比較すればかなり軽く、痛みも急性の場合ほどにはなりません。

 

症状としては鼻づまり、鼻の充血、鼻汁がのどに回る後鼻漏などが多いのですが、黄色や緑色をした鼻汁が出たり、嗅覚が低下することもあって、けん怠感が全身に生じることもあります。

 

こうしたわかりやすい症状があれば副鼻腔炎と診断されますが、場合によってはX線検査で確認することもあります。X線画像では副鼻腔の空洞内に溜まった分泌液が見られます。

 

炎症の範囲や程度を調べるにはCT検査の方が優れており、上顎洞の副鼻腔炎の場合は、歯の膿瘍の有無を調べるため、歯のX線検査も行われます。